ふるもとクリニック

兵庫県加東市の 健康増進 ふるもとクリニック

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わたしの思い

最近思うこと

 日常の診療であれ、がん患者さんの診療であれ、急性期疾患の方の診療や終末期の方に対する診療であれ、重大な疾患や問題のある患者さんの治療方針については、私自身の意見は意識的に積極的にお話しますし、患者さんやご家族からお尋ねがあればどのようなご質問にも丁寧にお答えするよう心がけています。当然ご質問に十二分にお答えできる知識と技量を持っているべきだろうと思っていますので、できる範囲ですが努力をしているつもりです。
 
 
 私は大学病院や県立病院などの勤務医を約20年していました。こうした大きな医療機関にいた頃には何とも思わなかったのですが、独立し実地医家となってからは、自己紹介で私はこういう者ですがといっても、患者さんやご家族にわたしのすべてをお伝えることはできないケースもよく経験し、忸怩たる思いもありましたので、それからは色々な正式な資格を取って、私はこういった資格を持った者ですと一言添えることにしました。
 
 
 健康増進法が制定され、健康日本21などに基づくわが国の医療のひとつの方向性としてがん診療の推進と均てん化がかかげられましたが、その中で2007年度に『がん治療認定医』の制度が、各学会の垣根を越える形でできましたのは、わたしが開業して7年が経過してからです。今後のがん患者さんの診療には絶対に必要であろうと思ってその取得を決意しました。
 
 
 取得のためにはまず基幹学会の認定医資格やがんの診療歴が必要ですが、これは当然難なくクリアできていました。次に1年に1回行われる認定試験に合格することが必須なのですが、それだけではなく、直近の5年以内のがん診療に関する論文2篇以上などの条件が併せて必要でした。論文は second name(共同執筆者)でも可とありましたので、勤務医であったなら先輩の論文に共同で名前が載っているものがあれば比較的簡単に取れもしますが、開業医がいちからそれを達成することなどほぼ不可能に近いもので、実地医家を無視したむちゃくちゃな条件だなと当時嘆息した記憶があります。
 
 
 とりあえず資格試験には合格しておこうと、weekdayのクリニックの診療もまるまる2日間休んで、自宅で介護していた母は妻に全面的にまかせ、資格試験希望者の研修が行われた幕張メッセまで行き、全国の拠点病院から集まってきた気鋭の若きドクター達に混じって研修し、資格試験を受けました。幸い試験には1回で合格しましたが、出題範囲はがん治療の初期治療から終末期医療までの全相における標準的な医療内容に関係する内容や、各科横断的な専門領域の先端医療に関するものまでと幅が広かったので、難渋はしました。試験合格後、申請の条件を満たすために学会発表を2件近畿地方学会で行い、それを論文にまとめ、全国誌に投稿し、それが受諾され掲載されるまで約2年かかりました。今から思っても結構大変なことでした。こうして取得した資格は今、がん患者さんやそのご家族と面談する際には結構自信になっています。
 
 
 わたしは患者さんにおもねることは良しとしませんが、かといって患者さんのご希望や人生観をむげに否定することも良しとはしません。人生の帰結に多少なりとも関与する仕事ですので、患者さんには患者さんの人生があるという一点を中心に据えて対応している、そんな気持ちです。いまの私の発言は単に自分の人生観だけから出たものではなかっただろうか、いま説明したたことに本当にエビデンスはあるのだろうかなど、という風にいつも反芻をしながら、患者さんやご家族のご希望に沿う形でと、いつも心の中では葛藤しています。がんの終末期の方であっても、通常の高齢者の方の終末期であっても、診療において答えは幾万とあって、画一的な筋道があるわけではないし、どの治療が正解で、どの治療が間違っているかなどという断言の仕方は実地では特にそぐわないと最近、しみじみ思っています。医療者の人生観を満たすための終末期医療ではありませんので、答えは患者さんの数だけあるというのが正解かもしれません。


 医療従事者として大きな病院で行うガイドライン通りの診療ほど楽なものはありません。わたしも勤務医時代は意識するしないにかかわらず、その恩恵を享受していたように思います。しかしながらいま実地医家になって、毎日幅広い領域で時には浅く、時には深く、いろいろ不規則な診療を行わざるをえない毎日は、幾多の応用問題を解いているような感じでで結構消耗しますが、案外、こっちの方が私の性に合っているのかもしれません。

 

少子高齢化社会の到来で実地医家に求められているものとその対応

(平成24年02月)

 人類史上、類を見ない少子高齢化社会の到来は、わが国政府にとっては否応なしに社会保障制度の抜本的な改革を要求するところとなっている。しかしながら、昨今の政局がらみの低次元な様相など、先行きの不透明感は問題をより混沌とさせており、われわれ国民はみな、焦燥と驚愕を隠せない。

 
 少子高齢化は、われわれ医療の提供者側に対し、当然、新たな医療提供体制の確立を求めることともなっている。

 現在、医療者側に要求されているものを具体的に列挙するならば、ひとつは今後も予想される国策としての医療費抑制下での良質の医療の継続的な展開であろうし、また、ひとつは、特に慢性疾患やがんの増加などの高齢化にともなう疾病構造変化に対応できる柔軟な医療の提供であろう。

 前者に関してであるが、医療費抑制が患者にとって決して好ましい施策とは思われないが、わが国の財政事情を鑑みるに、行政としてはやむにやまれぬ選択であるかもしれない。
 これまで完全に放任されていた大病院中心の高コストかつ非効率的な医療からの脱却をはかるためには、われわれ実地医家は、われわれ中心の医療を推進し、より入院医療に特化した専門病院との連携を深めることが必要であろう。
 そうすることによって、医療の質を低下させることなく、より低コストで、かつより効率的な医療への転換が推進できることとなる。
 地域住民の外来診療部門を一手に担当し、地域医療のネットワークの中心となる必要に迫られている。

 
 後者の高齢化に伴う疾病構造の変化に対応して、必要かつ十分な医療の提供のためには、当然、これまでと同様の質の高いプライマリー・ケア医療は維持をしつつ、さらにそれを発展させてゆくことが要求されている。それのみならず、あらたな研鑽も必要となってくることは自明であろう。

 現在の日本医師会の枠内での研修や専門医制度ではもはや不十分と言わざるをえない。厚生労働省は現在、各全国学会の専門医制度の見直しを進めているが、われわれ実地医家もそれら各学会の専門医制度に関する修練や資格取得試験なども利用しながら自己研鑽を進めることが現時点ではより合理的だろう。
 当然、専門医資格のあるドクターとそうではないドクターとの診療費に差をつけることは積極的に行っていただき、自己研鑽のモティベーションを確保すべきである。

 
 今後、自院での外来診療だけではなく、患者や地域住民に対する予防医学領域へのアプローチも必要となるであろう。
 この観点から地域においても、実地医家が保健事業の中心的な存在となる必要がある。公的な保健サービスには明らかに限界があるわけだから、各自治体は今後国から予算の裏付けのある各種権限委譲が予見される現状をふまえ、今後は実地医家を中心とした地域住民への保健事業体制の構築を急いで欲しい。

 
 また、同様な意味で、介護分野への連携もより密になることが必要となろう。
 介護分野は介護保険制度導入後しばらく時間が経過したが、基本的な問題の解決ができていない。個人的には、小賢しい事業者がこの制度を独占的にまたは効率的に経営的に利用している現実に高度の違和感を感じている。もう少し積極的に事業者の選別や事業者の非営利的活動を義務化する観点からの制度導入などを行って、ぜひともこの違和感を打破していただきたいと日常診療をしながら希望している。
 医療があって介護がある、それが連動して初めて高齢化社会に対応可能となる。それが事実と思う。行政の猛省を促したい。

 
 今後急増するであろう在宅がん患者診療なども包含した、いわゆる在宅医療全般に対して、より積極的な取り組みも必要となろうが、そうした診療を展開するためには実地医家自身のスキルアップだけでは不可能である。
 ともに担当するスタッフの確保やその養成なども当然必要となってくるが、そのためには経営面も含めて長期的な診療所運営計画の策定も重要となってくる。
 今般の診療報酬改定などの内容を政策誘導の観点から解釈すると、中規模の在宅医療機関を底辺におこうと意志が一部見て取れるが、一般医療の構造とやや乖離があって、違和感を感じる。既存の訪問看護ステーションとの連携などを重視する施策が正しいと断言する。
 また、現在の診療報酬体系では、がん診療に関する技量や資格を取得した医家に対する評価が全くなされておらず、国に対しては抜本的な見直しを要求したい。がん治療認定医など、研鑽を積み、それを公的に認められた医家とスキルアップの意欲の無い医家との差別化は絶対必要と思う。


 今後のわが国の社会保障制度の新たな構築にあたっては、われわれ実地医家が積極的に発言し、その行く先を導いてゆく必要があろう。なぜなら、すべての入り口は医療であって、その医療の中心はわれわれ実地医家であるわけだから。

 永きにわたってわが国の先人達が築き上げてきた世界に例を見ない日本が誇るべき医療制度が、わずかこの数年の間に、目を被わざるをえない惨状にまで至らしめた過日のヒステリックな小泉改革。きわめて個人的な誤った競争主義の導入がその発端であったが、これにあらがうこともなく看過してしまった罪はいったいどこに、誰にあったのか?
 多くの自称知識人やマスコミ、その煽動に踊らされた多くの国民。大いに反省してもらいたい。当時このえせ改革を唯一批判し、警鐘を鳴らし続けてきたのは、われわれ実地医家だけであったことはまぎれもない事実である。
 今まさに直面している少子高齢化社会、このような愚策だけは将来にわたって決して繰り返してはいけない。

 

実地医家からみたわが国のがん診療の現状と提言

(平成23年12月)

1.緒言

 日本がん治療認定医機構がん治療認定医であり、かつ消化器科、内科ならびに外科を標榜する無床診療所を開設する実地医家でもある筆者の立場から、わが国のがん診療の現状を検証し、今後の方向性に対する具体的な提言をしたい。


2.わが国におけるがん患者数の
  疫学的な実態と今後の予測

 平成22年厚生労働省人口動態の年間推計(平成23年1月)によると(1)、平成22年の悪性新生物による死亡者数は35万2000人と推定され、全死亡者数の約30%を占めており、今や3人に1人ががんで死亡する時代となっている。また、2位の心疾患18万9000人、3位の脳血管疾患12万3000人と比較して、その総数は極めて多い。
 高齢化社会の到来とともに、その結果として2人に1人ががんを罹患するという状況は、今後当分の間続くものと予想されており、『がん生存者の社会的適応に関する研究』(厚生労働省)によると(2)、2015年末のがん罹患者数は535万人(5年未満生存者225万人、長期生存者308万人)と推計されている。

 それゆえ、わが国の今後の医療政策上、がん対策は喫緊、そして最優先の課題と言えよう。


3.わが国のがん診療施策の方向性
  と現状

1)わが国の基本戦略

 わが国では、2007年施行された「がん対策基本法」のもとに「がん対策推進基本計画」が策定され、都道府県においても「都道府県がん対策推進計画」が策定されて、がん診療に対する基本的施策によって新たな方向性が示された。
 この中で、われわれ実地医家に関係する具体的な施策を挙げると以下の2点となろう。

 (1)「日本がん治療認定医機構」の創設
    「がん治療認定医」養成と認定
「日本がん治療認定医機構」が2006年12月に創立され、既存諸学会から独立した第三者機関として、総合的ながん治療医つまり「がん治療認定医」の養成ならびに認定ができるようになった。
 がん患者の診療に必要とされるがん治療医数は、比較的積極的な医療介入を必要とする5年未満生存者のみに限定しても、今後約2万人が必要であると計算されている。これに長期生存者に対する診療が加わると、まさに膨大な数のがん治療医が必要であることは自明であろう。「がん治療認定医」は、これらのがん患者の診療を担う、あるいはコーディネートするという位置づけであって、ひいてはわが国のがん治療の均てん化が図れるものと期待されている。
 この2万人の目標が達成できるのは「日本がん治療認定医機構」は2016年と考えているようであるが、わたしはおそらく数年先延べされるであろうと推察する。受験者数が若干減少しつつあり、その結果合格者数が減少しているからである。また、目標の「がん治療認定医」の2万人が果たして日常臨床において、どの程度がん診療に寄与できるのか、現在その根拠も示されていない点は指摘しておきたい。

 (2)「地域がん診療連携拠点病院」の
      指定と整備
 「当該の診療圏内での中核的ながん診療の拠点」との位置付けられた「地域がん診療連携拠点病院」であるが、われわれから見れば、その周辺にも同様の規模の病院が多数存在し、それらの病院との差別化が明確にできていないように思われる。実際のがん診療においても、現在ある程度以上の規模の病院では診断機器も治療行為も、ほぼ同じような診療が行われているのが実態と感じている。

2)在宅医療の中のがん診療の位置づけ
 最近徐々ではあるが緩和医療に対する関心が高まりつつあり、特に疼痛緩和に対する技術は向上してきた。「地域がん診療連携拠点病院」に義務づけられている地域のがん診療に携わる医師を中心とする緩和ケア研修会は始まったばかりであるが、受講希望医師が少ない地域もあり、有効な施策ではないようである。なぜならそもそも「がん治療認定医」はすでにそうした研修事項をはるかに越えた経験と知識を持っていることが認定の要件であるからであり、また、その他の一般的な実地医家はがん診療以外の診療で手一杯であるからだ。
 がん診療の継続の他に、在宅では末期がん患者の看取りという問題がある。末期がん患者の在宅看取り率が緩徐に上昇しているが、全国1位の兵庫県でさえも12.3%(2008年)に過ぎないのが現状である。


4.今後の方向性についての提言

1)「地域がん診療拠点病院」への
  インフラ整備とマンパワーの集中を
 都道府県は「地域がん診療拠点病院」に集中的なインフラの整備、人的配置を行って、その独立化の推進を図ることが必要である。これで医療圏内でのがん診療の集結が推進されることとなる。

2)「がん地域連携パス」の推進に先行して  「がん治療認定医」を中心とする連携 
    システムの構築を
 現在日常臨床で、比較的効率的に展開されている地域連携パスは脳卒中や大腿骨近位部骨折であろうが、一方で「がん地域連携パス」は有効に展開されているとは言えないだろう。
 その主要な原因は行政から住民へのPR不足であろうし、「地域がん診療拠点病院」の積極性の不足であろうし、実地医家への診療報酬上のメリット不足であろう。それらをすみやかに解消することが必要である。
 比較的素早く連携パスを展開する方策は、「地域がん診療拠点病院」と「がん治療認定医」である実地医家とのネットワークをまず先行して構築することだろう。一般医家との連携では緩和医療の方向に傾斜するパスも、これによって効率的に拠点病院の業務の軽減を図り、治療圏域でのがん診療の継続を図ることが可能となろう。ただし、地域によっては「がん治療認定医」の偏在もあろうが、これも時間が解決してくれる可能性がある。

3)在宅がん診療の推進を図る施策を
 在宅がん診療における専門職連携(Interprofessional Working,IPW)のより一層の進展をはかる施策を進めることが必要であるが、そのためには、ナースやその他のコメディカルに対する教育を「地域がん診療拠点病院」が担い、診療技術の均てん化を図ることが必要である。また、症例毎に、IPWで共通した目標設定を行うシステム作りが必要である。
 在宅看取りに対するマンパワーの充実も必要不可欠であるが、これは患者本人のみならず家族も含めた在宅医療の価値を認識する教育も必要である。

4)がん一次予防対策の強化を
 一次予防が可能ながんに対しては積極的な財政出動を行い、将来的なベネフィットを得ることが必要である。
 それらは、例えばヘリコバクター・ピロリ除菌療法に対する保険適応要件の撤廃、HPVワクチンの継続した全面無料化、禁煙推進施策の強化などである。

5)がん二次予防対策におけるがん検診の
  重要性の再認識を
 実地医家の実感であるが、特定健診の臨床的意義についての議論はさておき、特定健診が住民健診へと様変わりした結果、これまで住民健診として同時に行われてきたがん検診がおざなりになっているきらいがあった。検診発見がんの予後といった議論とは別に、これが結局がんの早期発見を遅らせる結果となっていることは事実であろう。
 最近、使途を限定した地方交付税による地方自治体への積極的な予算措置などがなされたが、市町村事業としてのがん検診を推進するのは市町村であり、その市町村からの特定健診とがん検診との分別する住民へアナウンスメントの徹底が不足しているため、受診率が全国的に低値であることに対策を要する。首長に猛省を促したい。


5.結語

がん治療認定医であり、かつ実地医家の視点からわが国のがん診療の現況を考え、今後の方向性に対する具体的な施策を提言した。


6.参考文献

1)平成22年(2010)人口動態統計の年間推計 (厚生労働省、2010)
2)厚生労働省がん研究助成金「がん生存者  の社会的適応に関する研究」(厚生労働省)